平成20年4月1日より水道法の水質基準項目に塩素酸が追加されました。塩素酸は水道水の消毒に使用される次亜塩素酸ナトリウム溶液の不純物、又は分解生成物として知られており、その管理や注入量が議論されてきました。特に保存中の温度と保存期間により塩素酸は増加します。(下記グラフ参照)
グラフ右は35℃、左は20℃の有効塩素と、塩素酸の変化を表しています。
表を見ての通り20℃で管理した場合、次亜の濃度低下が抑制されると共に、塩素酸濃度も抑制される事がわかります。次亜中の塩素酸濃度は次亜濃度が1%下がると約3500mg/L増えると言われております。よって次亜中の塩素酸濃度yは
y=3500x+z y:次亜中の塩素酸濃度
x:初期濃度-その時の次亜濃度
z:初期塩素酸濃度
※定数3500はJWWAを参考にしました(有効塩素と塩素酸の関係より)当社では、各営業所において、次亜塩素酸ナトリウム貯留槽の冷却管理を行っております。管理目標温度は20℃以下で、チラー装置、チタン製熱交換器を使っております。
次亜塩素酸ナトリウムの保存においては、基本的に冷暗所とされておりますが実際には、屋外にタンクがあったり、小分けされた次亜塩素酸ナトリウムがボイラー室にあるといった事が良く見かけられます。
次亜塩素酸ナトリウムの安定化には過去から様々な研究がされてきましたが、夏場の温度対策については、中々実施されずに来たのが現状です。当社では、業界に先駆けて冷却管理を行い、全ての商品を自社にて日々分析(一般物性)し、原料メーカーから納入される次亜塩素酸ナトリウムを、徹底的に管理しております。塩素酸、臭素酸濃度につきましては、全営業所で毎月一回、原料タンクより抜き取った次亜塩素酸ナトリウムを、第三者機関に分析を依頼し「JWWA K 120 1級品規格」の確認、認証を行っており、常にユーザーからの問い合わせに対処できる体制とっております。